LINEが中国から覗かれていた!

国内LINEユーザーの個人情報が、中国から閲覧可能な状態になっていた問題。

これ、恐ろしいですね! わたしは仕事で「LINE公式アカウント」に携わっているのですが、しばらくはLINE公式アカウントはおすすめしたくない…、と思いました。コロナが始まったあたりから、総務省や厚労省・法務省がLINEを活用したサービスをおこなっていましたが、今回の件で省庁は一斉にLINEから手を引く、とのこと。現在政府内では、LINEのみならずインターネットサービス全般で「機密情報のやり取りをしない」と決定したそうです。インターネットサービス全般、というのは今の時代可能なのか?と少し疑問に思いますが、それだけ政府もこの問題を重く捉えている、ということのあらわれですね。

Yahoo!とLINEの経営統合の行方

これに関連する動向として気になるのが、今月はじめに発表された「Yahoo!(Zホールディングス)とLINEの経営統合」です。オンラインショッピングの売上を伸ばしたいYahoo!と、すでに国民生活に浸透しきっているLINEが経営統合することによって、国内最強の導線を生む狙いだったのでしょう。実際、Yahoo!とLINEの経営統合についてはGAAFに対抗しようとするものではなく、日本国内をマーケットと考えているようです。しかし、ユーザーの情報がよりによって中国から閲覧可能な状態だった、というのは信用にかかわる問題ですね。一番怖いのは金銭に関わる被害を被りかねない点ではないでしょうか。LINE Payでは、ユーザーの銀行口座からお金を直接チャージできます。もし、その情報を盗まれてしまったら、銀行口座から勝手に出金されてしまうのでは? LINE ウォレットは大丈夫なの? わたしは、そういう不安を覚えました。

LINEの対応

LINEの対応については、自社の運営するリリースサイトで発表しています(記事はこちら)。火消しの意味合いもあり、長ったらしくて読むのも大変な文章ですが、簡単にまとめると①中国から閲覧できた個人情報とは、トーク・友達・登録電話番号・決済データ(←これ問題ですよね💢)の暗号化されたデータであり、先月中に中国からのアクセス権限は削除済みであること。②そもそも、ユーザーのデータを覗くのは、「通報」がされた場合のみである。③今後も、韓国(画像や動画・アルバム・ノートなどを管理)や中国(LINE Digital Technology 上海 Ltd.、NAVER Corporation、NAVER China)などのグローバル拠点は廃止しないこと、などでした。

中国からのアクセス権を剥奪したのは、Yahoo!との経営統合を進める中で決定されたことであり、何か被害や問題が起きたわけではない…、と言いたいようです。わたしが気になっているLINE Payの情報については、国内で管理しているとのことで、今後ユーザーのプライバシー情報の管理は国内に集約していく方針だそうです。

矛盾してない?

どうやら、Yahoo!と経営統合する上で元々LINEが抱えていた問題が露呈した形のようですが、言ってることがなんだか変だなと感じます。”「グローバル拠点」は廃止しないけど、ユーザーのプライバシー情報は国内で管理するから大丈夫!”って、どう思いますか? ユーザーのプライバシー情報を海外で管理するのは危険、ということであれば、海外拠点も廃止すべきです。本来、サーバーの場所がどこであろうが、情報にアクセスできるのがインターネットサービス。海外の企業が介入していること自体が危険ではないでしょうか。「個人情報」と名付けられたデータだけ国内のサーバーに保管します、という意味なら、そういう問題じゃないでしょ!と思います。

今後のLINE

2021年現在、日本国内でLINEを使っているユーザー数は8,600万人といわれるそうです。InstagramやTwitterなどをおさえての堂々一位!今回の騒動で、LINEを危険とみなして皆さん使うのをやめるでしょうか。

個人的には、LINEに変わる新しいサービスやアプリが出てくるまで、このまま皆さんだらだらと使い続けるのではと予想しています。周囲の友人や家族、同僚などみんなLINEを使っているし、自分一人でちがうアプリを使う!と言っても無理があるでしょう。つまり、今回のことで急にみんながLINEを使うことを止めるということはなく、新しいサービスによって自然に淘汰されるまでは皆LINEを使い続けるだろうと思います。

ちなみに、LINEは元々韓国最大のインターネット企業NAVERが設立した日本法人のサービスで、欧米ではほとんど使われていません。そして今日に至るまで、LINEは数々の企業と提携したり子会社にされたりサービスを譲渡したり商号変更したりと、現在一体どれだけの企業が関わっているのか、Wikiでみてもよく分からない状態です。正体がよく分からない、不気味な大企業ですよね。もし今後また別の問題が発生しても、責任の所在がどこにあるのか、この状態では明らかにされず済まされそうな不安を感じます。

毎日クーポンやポイントを送ってくるLINEですが、とりあえずわたしはLINE PayとLINEウォレットには手を出さないようにしようと決めました。他人からみたら単なる怖がりにうつるかもしれませんが、今後起こりうる危険に備えることが防災ですからね! あと、しばらくはLINE公式アカウントについても要注意物件として動向を見守りたいと考えています…。すでに数ある大企業がLINE公式アカウントを導入・運用していますが、ちょっと注意が必要だと感じます。